なぜヒルトン東京ベイ館内のインバウンドショップに、同じゲストが滞在中、何度も来るのか——「ショッピング」が「滞在体験」に変わるメカニズム
「滞在中に何度も来る」という想定外の行動
ホテルの館内ショップに対して、多くの事業者が持つ一般的なイメージは「チェックイン後やチェックアウト前にさっと立ち寄る場所」というものではないでしょうか。一度訪れて気に入った商品を購入し、それで完結する——そうした単発の来店が想定されています。
しかしヒルトン東京ベイのインバウンドショップでは、同じゲストが滞在期間中に複数回来店するケースが多く見られています。ショップを立ち上げた当初、リピート来店はほとんど想定されていませんでした。それが実際には、初日に訪れて商品を眺め、翌日また来て試し、最終日の朝にまとめて購入するというパターンが生まれています。
この行動は、何が生み出しているのでしょうか。
「ホテルにいるからこそ」生まれる来店動機
通常の買い物行動と、ホテル滞在中の買い物行動には大きな違いがあります。
観光地の路面店や商業施設への来店は、基本的に「行くことを決めて向かう」という能動的な行動です。一方、ホテルの館内ショップは**「滞在している空間の延長線上に存在する」**という点が異なります。ロビーを通るたびに目に入り、食事の前後に立ち寄りやすく、チェックイン後の空き時間に自然に足が向く——こうした環境的な条件が、複数回の来店を後押ししています。
また、ホテルに滞在するゲストは時間に余裕のある状態にあります。観光スケジュールの合間や朝食後のひとときに、ショップをゆっくりと見て回ることができます。この「急いでいない状態」が、商品への関心を深め、購入の意思決定を熟成させる時間を生み出しています。
「何度も来たくなる」ショップの条件
同じゲストが複数回来店するためには、「また来る理由がある」という設計が必要です。
ヒルトン東京ベイ館内のショップでは、品ぞろえの独自性がその役割を担っています。日本各地の現代作家や職人が手がけた工芸品・雑貨は、流通量が少なく、なかなか他では見られないものです。「昨日見た商品をもう一度確かめたい」「家族に見せたい」「あの商品と一緒に別のものも見てみたい」——こうした動機が、再来店を自然に促しています。
また、接客の質も大きく影響しています。スタッフが商品の背景にある日本文化の話を丁寧にしてくれる体験は、「また話を聞きに来たい」という気持ちにつながります。ショッピングが「買い物をする行為」から「文化と出会う時間」に変わるとき、ゲストはそこに繰り返し引き寄せられます。必ずしも英語が堪能なスタッフでなくとも、翻訳機能や多言語ポップの使い方次第で心のこもった接客は可能です。
リピート来店が生み出す、滞在価値の向上
同じゲストが何度もショップを訪れるという現象は、単に売上の増加にとどまらない意味を持ちます。
ゲストがショップに来るたびに、スタッフとの関係が少しずつ深まります。名前を覚えてもらう、好みを把握してもらう、会話が弾む——こうしたやりとりが積み重なることで、ゲストにとってショップは「ホテル滞在の中で楽しみにしている場所」になっていきます。
これはホテル全体の滞在満足度にも影響します。「あのショップのスタッフと話すのが楽しかった」という体験は、宿泊そのものへの評価に結びつき、ホテルへのロイヤルティを高める要素になり得ます。
館内ショップを「滞在体験の一部」として設計する
館内ショップが「一度来れば終わり」ではなく、「何度でも来たくなる場所」として機能するとき、それはホテルの滞在価値を高める資産になります。そのためには、商品の独自性・接客の質・空間のデザインを総合的に設計することが必要です。
「何度も来たくなるショップをどうつくるか」——この問いへの答えは、ヒルトン東京ベイの事例の中に多くのヒントがあります。
Find My JAPANでは、ヒルトン東京ベイでの実績をもとに、インバウンドゲストが繰り返し足を運びたくなる館内ショップの企画・運営をご支援しています。ご関心のある方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
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