日本人と外国人は、違う評価軸のJAPANに触れてきた——インバウンドMDにおける「評価ギャップ」という視点
「素敵」「センスがいい」——私たちが日常的に使うこうした言葉には、無意識のうちに日本人の物差しが入り込んでいます。しかし、インバウンド向けのMD(マーチャンダイジング)において、この物差しをそのまま使うと、しばしば大きな見誤りが起こります。日本人が評価する「JAPAN」と、訪日外国人が評価する「JAPAN」は、思っている以上にズレているからです。
このズレは、一見するとインバウンド対応の難しさのように見えます。しかし実際には、このズレの存在に気づき、正しく扱えるかどうかが、そのままビジネスチャンスの大きさに直結します。
日本人から見た「JAPANの素敵」と外国人から見た「JAPANの素敵」
このギャップはどこから生まれるのか…?
その答えは、「これまで触れてきた、良いとされてきたJAPAN」の差だと思われます。
日本人の「JAPANの素敵」は、くらしに溶け込みやすい、機能的である、長く使える文脈。
外国人の考えるそれは、漫画アニメや観光地を紹介するInstagramなどで触れる、「自国の文化にない特徴的なモノ」文脈で醸成されていくのではないでしょうか。
逆を考えると、確かに私たちも、海外旅行では自国にはない文化、生活習慣、景色に心動かされます。
その国独特の文字、食事、宗教、服装、街並み、レストランやお土産店で触れる現地の人々の様子。
日々、ボーダレスになる世界の中で、より「ここにしかない」が、私たちを惹きつけます。
三喜雑貨でも、黒羽織や作務衣といった、「外国映画に出てくる日本人」をイメージさせる和装は、とても人気があります。一方、豆皿やふきんなど、日本人をターゲットにした雑貨としては鉄板のアイテムが、響きにくい現象も起こります。それは、ワンプレートまたは外食文化において、豆皿が日常に登場する機会がなく、ふきんも使い捨ての紙製が一般的だからです。
インバウンドとは誰なのか?
このギャップについて、インバンドビジネスに携わっていると、気が付くのは難しくありません。
ただ、気を付けなければならないのは、インバウンドとは、世界のおける日本人以外の全ての属性を指します。
アメリカ人の20代男性も、インド人40代女性も、中国人60代男性もインバウンド。
売れるインバウンド物販店を作るには、もう一歩、この「インバウンドとは誰?」の解像度を上げていく必要があります。
現状、日本のお土産店は、他業態からの転身で何となく…というケースも多く見受けられます。
それは、目的地になりにくいお土産店の特性から、「立地」こそが売上であり
舞子・富士・浪裏モチーフで、それなりに成立してきた背景があるように思います。
インバウンド物販は甘くない
品揃えの意思決定を日本人だけの感覚に委ねたままにする、または、何となく「外国人が好きそう」なモチーフだけで構成する。日本中がインバウンドの購買力に注目するご時世で、このような品揃えが生き残る可能性は、極めて厳しいと言わざるを得ません。
一方、インバウンドとは誰?を整理し、その属性に向けた仕入れ・売場づくりを根拠をもって積み重ねる。
この物販店として当たり前の取組みをしているお土産店は多くありません。
一方、この基本的な視点を外さなければ、おのずと「他にない品揃え」「欲しいものがある」となり、客単価が上がっていきます。
まとめ
日本人の「素敵」と外国人の「素敵」は、同じ言葉で語られていても中身が違います。このズレを仕入れと売場づくりの武器として扱えるかどうかが、インバウンド向けMDの分かれ目になります。Find My Japanは、長年のバイイング経験と直営店データをもとに、この「評価のギャップ」を起点にした品揃え設計をご支援しています。
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